
『 新しい自分へ 』
完全個室マンツーマンで、運動初心者・ジム通いに挫折経験のある方を中心に、トレーニング・食事・生活習慣をトータル設計しています。
RE:NEW personal gym 烏丸御池の高山です。
「スクワット、続けているんですけど、効いている感じがしないんです」
体験に来られた方から、よく聞く言葉です。
回数もフォームも、それなりに意識されている方ほどこう言われます。
足りていないのは重さではなく、しゃがむ深さであることがほとんどです。
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スクワットが効かない原因は、重さではなく深さでした
スクワットを関節ごとに分けて測った研究があります。
バーベルの重さを最大挙上重量の50〜90%まで変え、しゃがむ深さも変えて、それぞれの筋肉が「自分の最大に対して何割の力を出しているか」を調べたものです。
結果は、きれいに分かれました。
膝を伸ばす筋肉、つまり太ももの前は、深くしゃがむほど負担が上がり、重さを足しても上がりませんでした。
お尻の筋肉は、深さでも重さでも上がる。
ふくらはぎは、重さでだけ上がる。
浅いまま重さだけ足していくと、太ももの前は狙ったほど働かない。
「効いている気がしない」の正体が、ここにあることは少なくありません。
「浅く止めれば膝にやさしい」は、思っているほど正しくありません
深くしゃがむのが怖い、という声もよく聞きます。
膝を痛めそうだから、太ももが床と平行になる手前で止めている。
気持ちはよくわかります。
ただ、164本の研究を集めて整理したレビューでは、お皿の裏にかかる圧力がいちばん高くなるのは、膝が90度あたりのときだと報告されています。
そこからさらに曲げていくと、太ももとふくらはぎが接触し、関節の接触面も広がって、圧力はむしろ散っていく。
同じレビューは、正しい形を指導のもとで覚え、負荷を少しずつ上げていく前提なら、深いスクワットが関節や靭帯を傷めるという心配には根拠がない、とまとめています。
むしろ浅い形のまま極端に重い負荷を載せ続けるほうが、長い目で見ると関節に不利だ、とも。
浅く止めるのは、思っているほど安全策になっていない。
ここは知っておいて損がないところです。
スクワットの効果は、どこまで下ろすかで12週間後に変わります

深さの違いを、そのまま12週間ぶつけた研究もあります。
膝が120度曲がるところまで下ろすグループと、60度で止めるグループ。
回数はそろえてあります。
深く下ろした側だけ、太ももの前の断面積が4〜7%多く増えました。
その場でのジャンプも、15%ほど上回っています。
おもしろいのは挙げられる重さの伸び方で、こちらは練習した深さでいちばん伸びました。浅く練習したグループは浅いスクワットで36%伸びた一方、深いスクワットでは9%しか伸びていません。
体は、やった通りの形で強くなる。
浅く練習した人は、浅いスクワットが上手になります。
📋 深さは3段階で足していく
1. 椅子から立って、座る
厚生労働省のe-ヘルスネットが足腰づくりに勧めている「椅子スクワット」。
→ 膝への負担が小さく、深さの感覚をつかむところから始められます
2. ゆっくり下ろす
同じくe-ヘルスネットが紹介しているスロートレーニング。軽めの負荷であっても、ゆっくり動作することで大きな筋肥大・筋力増強効果が得られるとされています。
→ 関節や筋肉にかかる負荷は小さいまま、効かせられます
3. 深さを足す
重さを足すより先に、下ろせる範囲を広げる。
→ 太ももの前が働くかどうかは、ここで決まります
フォームの足幅を変えても、前ももの効き分けはできません
「内ももに効かせたいから広めに」「前ももを狙いたいから狭めに」
足幅の話も、よく出ます。
筋電図で、肩幅・狭め(肩幅の75%)・広め(140%)を比べた研究では、太ももの前の3つの筋肉は足幅ではまったく変わりませんでした。変わったのは重さのほうです。
一方で、内ももとお尻の活動は、足幅で変わりました。
もっと新しい研究では、狭いと太ももの前が発揮する力が増え、広いとお尻やもも裏といった体の後ろ側の力が増える、という結果も出ています。
前者は筋肉の電気的な活動量、後者は関節の動きから計算した発揮筋力で、見ているものが違います。そろえて読むと、足幅で動くのは「体の前側と後ろ側の配分」のほうだとわかります。
足幅で選べるのは「体の前側か、後ろ側か」まで。
太ももの前のどこか、までは選べない。
細かく足幅をいじるより、下ろせる範囲を広げるほうが、太ももの前には届きます。
膝が不安な人は、椅子から始めていい
ここまで深さの話をしてきましたが、今日から深くしゃがんでください、という話ではありません。
e-ヘルスネットの情報シートには、筋トレの頻度は成人も高齢者も週2〜3日、と書かれています。
休息日も同じくらい大事で、時間が長くなりすぎるとかえって逆効果になる、とも。
自宅でやるときのいちばん簡単な目安は「できなくなるところまで」。
そして、息をこらえないこと。血圧が急に上がるのを防ぐためです。
負荷は、慣れてきたら少しずつ上げていく。
筋肉は年齢に関係なく鍛えられる、というのも同じシートに書かれています。
運動で悪化する腰痛や膝痛、関節の変形がある場合も、同じガイドは「あらかじめ医師に相談し、低強度・短い時間から始め、その場所に負荷がかからない種目を選ぶ」としています。
ここを飛ばさないでください。
運動プログラムは安全性を最優先に、その人のリスクと体力に合わせて組む。これが大前提です。
深さは、勇気ではなく順番の問題です
深くしゃがめる人が偉い、という話ではありません。
ただ、効かない原因を重さのせいにしているあいだは、たぶん何も変わらない。
椅子から立ち座りする。ゆっくり下ろす。少しずつ下ろせる範囲を広げる。
順番どおりに積めば、深さは後からついてきます。
12週間の研究で差が出たのも、そのくらいの期間を積んだ先の話でした。
来週の自分ではなく、3ヶ月後の自分に効かせるつもりで、いつもより少しだけ深く下ろしてみてください。
この記事のまとめ
✅ 太ももの前が働くかどうかは深さで決まり、重さを足しても上がらなかった
✅ お皿の裏の圧力が最大になるのは膝90度あたり。そこから先は接触面が広がって散っていく
✅ 12週間の比較では、深く下ろした側だけ太もも前の断面積が4〜7%多く増えた
✅ 足幅で変わるのは内ももとお尻。太ももの前の効き分けはできない
✅ 椅子スクワット+ゆっくり下ろすところから、週2〜3日。息はこらえない
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