
『 新しい自分へ 』
完全個室マンツーマンで、運動初心者・ジム通いに挫折経験のある方を中心に、トレーニング・食事・生活習慣をトータル設計しています。
RE:NEW personal gym 烏丸御池の高山です。
「筋トレを始めてから、やたらとお腹がすくようになった」
ダイエットのつもりで始めた人ほど、ここで戸惑います。
このまま食べていたら、逆に太るんじゃないか、と。
先に言ってしまうと、その空腹は「今日使った分」の埋め合わせだけではありません。増えた体の維持費でもあります。
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トレーニングの直後は、むしろ食欲が落ちています
いきなり逆のことを言います。
トレーニング中、お腹がすいた記憶はあるでしょうか。
たいていの人は、動いている最中は空腹を忘れています。
20の研究・28の試験・241人分のデータをまとめた解析があります。1回の運動のあと、食欲を上げる側のホルモンは中央値で16.5%下がり、抑える側のホルモンは8.9%から15%ほど上がっていました。
「それは痩せている人の話では」と思うかもしれません。
平均BMIが30.6の73人を集めた別の解析でも、向きは同じでした。むしろBMIが高い人ほど、食欲を上げる側の抑えが大きい傾向が出ています。
筋トレするとお腹すくのは、ジムを出たあとから
下がったものは、戻ります。
だから空腹が来るのは帰り道、あるいはその日の夜です。
シャワーを浴びて、座って、ひと息ついたあたり。
ここで多くの人がやってしまうのが、その空腹を「今日の頑張りへのご褒美」として扱うことです。一度そうすると、体より先に記憶が覚えます。トレーニングした日はたくさん食べる日だ、と。
ちなみに「トレーニング中に空腹ホルモンが増えるから腹が減る」という説明をよく見かけますが、さきほどの解析はその逆を示しています。原因を取り違えると、対策も的外れになります。
空腹の強さを決めているのは、脂肪ではなく筋肉

では、何が空腹を決めているのか。
この15年ほどで積み上がったのは、少し意外な結果でした。食事の量やエネルギー摂取量と結びついていたのは、脂肪の量ではなく、脂肪以外の体の量——つまり筋肉や内臓や骨の側だったのです。しかもその効き方の大部分は、安静時の代謝を通っていました。
脂肪は、貯めておくだけならそれほどお金がかかりません。
筋肉や内臓は、休んでいる間も動き続けています。
食べたくなる力の正体は、その維持コストだということです。
筋トレを続けて、動ける体が少しずつ増えていく。
維持費が上がる。
お腹がすく。
「運動しても食べたら同じ」は、長い目では起きていない
運動すると腹が減って、消費した分が帳消しになる。
この話は、ずいぶん前から煽られてきました。
ただ、長期間きちんと管理された試験では、運動した量に応じて体重が落ちる関係がはっきり出ています。帳消しになる、という前提のほうが実際とずれています。
そのうえで、正直に書いておきます。
この反応には個人差が非常に大きい。同じ運動をしても、人によって出方がまるで違います。
つまり平均は、あなたのことを教えてくれません。
だから、自分で確かめる方法が要ります。
食べ過ぎたかどうかは、空腹感では判定できません
ここは公的な資料がはっきり書いています。体重や体組成に変化がなければ、食べた量と使った量は等しいと考えられる、と。
逆に言えば、どれだけお腹がすいたかは判定材料になりません。
見るのは、数週間の体重と体組成の動きです。
やり方はひとつだけ決めてください。毎回できるだけ同じ条件で測ること。起きてトイレに行ったあと、朝食の前、といった具合です。1日ごとの数字は上下するので、週の平均どうしを並べます。
そのうえで、2〜3週間ぶんが並んだら読み方はこうです。じわじわ増え続けているなら、減らすのは食事そのものより、帰り道に足された1品のほう。逆に減り続けていて疲れが抜けないなら、食事が足りていないか、強度を上げすぎています。
どちらでもなく横ばいなら、そのまま続けて大丈夫です。
📋 空腹に振り回されないための目安
体脂肪1kg=およそ7,000kcal
1日の空腹で崩れる数字でも、1日の我慢で削れる数字でもない
→ 1食単位で慌てない
たんぱく質は多いほど効くわけではない
摂るほど筋肉が直線的に増えるものではない、と明記されている
→ 体を動かした量に合わせる
筋トレは週2〜3日
時間が長くなりすぎると逆効果になる可能性がある
→ 空腹が続くからと量を増やさない
もうひとつ、同じ資料に面白い記述があります。運動が足りないと体のたんぱく質は分解に傾き、適度に動くと食事のたんぱく質がよく使われるようになる。ところが激しく動きすぎると、今度は分解が進む。必要量はU字を描く、と書かれています。
足りなくても、やりすぎても損をする。
空腹が強い日ほど、量より先に強度を疑ってください。
そして、空腹をゼロにしようとしないでください。
維持費が上がった以上、多少すくのが正常です。
お腹がすくようになった自分を、責めなくていい
空腹を、意志が弱い証拠のように受け取る人がいます。
でも、ここまで見てきたとおり、それは体の側の変化です。
使った分を取り返そうとしているのではなく、維持するものが増えただけ。
食べる量をどうするかは、そのあとの話です。
まず、すくようになったこと自体は、進んでいる証拠として受け取ってください。
数字が動くのは、たいてい数週間あとです。
この記事のまとめ
✅ 運動の直後は、食欲を上げるホルモンがむしろ下がっている(中央値-16.5%)
✅ 空腹が来るのは帰り道から。ご褒美として扱うと習慣になる
✅ 食べる量を決めているのは脂肪量ではなく、脂肪以外の体の量と安静時代謝
✅ 「運動しても食べたら同じ」は長期試験では起きていない。ただし個人差は大きい
✅ 食べ過ぎの判定は空腹感ではなく、数週間の体重と体組成
✅ 体脂肪1kgは約7,000kcal。1食で崩れも削れもしない
✅ 空腹が強くなったのは、維持費が上がったサイン
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