50代からの筋トレは遅い?
増えるかは年齢ではなく量が決める

50代からの筋トレは遅い?増えるかは年齢ではなく量が決める
監修者

高山 大輝Daiki Takayama

『 新しい自分へ 』

完全個室マンツーマンで、運動初心者・ジム通いに挫折経験のある方を中心に、トレーニング・食事・生活習慣をトータル設計しています。

RE:NEW personal gym 烏丸御池の高山です。

「50代から筋トレを始めても、もう遅いんじゃないか」

この質問は、体験に来られた方からいちばん多くいただきます。
そして、だいたい申し込む前に何ヶ月か迷われています。

結論から言うと、遅いかどうかを決めているのは年齢ではなく、週にどれだけやるかです。


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始める人がいちばん少ないのは、50代ではなく40代

先に、前提をひとつ外させてください。

「もう周りは始めていて、自分だけ出遅れた」と思っている方が多いのですが、国の調査の数字は逆です。

令和6年の国民健康・栄養調査では、運動習慣のある人(1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上続けている人)の割合は全体で34.6%。年代別に見ると、男性は30〜40代が最も低くて23.4%、女性は40代が最低で17.2%でした。

そこから上がります。
50代は男性30.4%・女性26.5%、60代は男性35.3%・女性33.0%、70歳以上では男性52.6%・女性42.6%です。

✅ 「出遅れたのではなく、始める人が増えるのは50代から」 — いちばん少ないのは40代で、割合はそこから上がっていきます。

50歳以上でも、脂肪以外の重さは平均1.1kg増えていた

では、本題の「増えるのか」です。

50歳以上を対象にした研究を49件・のべ1,328人分まとめた検討があります。筋トレをしたあと、体の「脂肪以外の重さ」がどう動いたかを見たものです。

結果は、平均で1.1kg増でした。幅を見ても0.9〜1.2kgの範囲に収まっていて、増える方向で一致しています。

60歳以上を対象に151件・6,306人分をまとめた、もっと新しい検討でも同じ向きでした。
脂肪以外の重さも、筋肉のサイズも、増えた側に振れています。

年齢の上限はもっと先です。
75歳以上に限って22件の試験をまとめた検討では筋力と筋肉のサイズが増えていて、80歳以上だけを抜き出しても筋力は増えていました。

厚生労働省の情報シートにも、ひとことで書かれています。「筋肉は年齢に関係なく鍛えることができます」と。


増えるかを決めているのは、年齢ではなく量

50代の男性がマシンで下半身のトレーニングをしているイメージ
50代の男性がマシンで下半身のトレーニングをしているイメージ

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。

さきほどの151件の検討は、週あたりの量を「少ない・中くらい・多い」の3つに分けて比べています。
結果が面白くて、どれを伸ばしたいかで答えが変わりました。

📋 量を分けて比べたら、こうなった

体のサイズ・脂肪以外の重さ・歩く動作
いちばん効いたのは「少ない量」だった
→ 時間を増やさなくても動く

筋力(持てる重さ)
中くらい以上の量が必要だった
→ 強くなりたいなら量は要る

しかも、この結果はプログラムの長さに関係なく出ていました。何年もやった人だけの話ではない、ということです。

国が推奨している頻度は、成人も高齢者も週2〜3日。同じ情報シートには「筋トレの時間が長くなりすぎると逆効果になる可能性」も書かれています。

つまり、50代で足りないのは気合いや若さではなく、週に2回分の枠です。

もうひとつ、正直に書いておきます。
これらの検討で効果がはっきり出ているのは、主にまだ元気な年代の人で、すでに体の機能が落ちた人についてはわかっていることが限られています。だから「いつでも同じ」ではなく、今のほうが根拠の内側にいる、というのが正確な言い方です。


50代は、心拍数が強度の目安にならないことがある

ここから、50代だけに起きる話をします。

「心拍数を見ながらやりましょう」という目安を見たことがあると思います。
ところが、血圧を下げる薬の一部(カルシウム拮抗薬・α遮断薬・β遮断薬など)は心拍数そのものに影響するため、心拍数が運動強度の指標として使えなくなります。

この場合に見るのは、自分の感覚のほうです。
「ややきつい」くらいか、息が弾んでいるか。時計の数字ではなく、主観で決めます。

自宅でやるときのいちばん簡単な目安も、国の資料では「できなくなるところまで行う」です。回数のノルマではありません。

そして、息をこらえない。血圧が急に上がるのを抑えるためで、これは年齢に関係なく守る1点です。


血圧が上の180・下の110を超えている日は、やらない

50代で運動を始めるとき、最初に決めておくべきなのは「やらない日」の基準です。

国の資料には数字で書かれています。収縮期(上)が180、拡張期(下)が110mmHgのときは、運動を控えて休養する。

運動中に次のサインが出たら、その場で中止です。

✅ 胸の痛み・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもと違う強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗 — どれかが出たら直ちにやめて、繰り返すなら受診してください。

始める前に確認しておくのは3つだけです。
持病があるかとその状態、普段どれくらい体を動かしているか、何のために何をやるのか。

終わったあとは5〜10分、軽く動いて落ち着かせます。急に止めると血圧が下がったり脈が乱れたりすることがあるためです。


50代の筋トレが遅いかどうかは、年齢では決まらない

迷っている何ヶ月かのあいだに、体は少しずつ先に進みます。

それでも、始めた人の体は年齢に関係なく応えてくれます。49件分の平均が1.1kgだった、というのはそういう数字です。

変化はすぐには出ません。
週2回の枠を3ヶ月あけられるかどうかが、たぶん最初の分かれ目です。

この記事のまとめ

✅ 運動習慣のある人の割合がいちばん低いのは40代。50代から上がり、70歳以上が最多
✅ 50歳以上の49件・1,328人分をまとめると、脂肪以外の重さは平均1.1kg増えていた
✅ 75歳以上でも筋力と筋肉のサイズは増える。「年齢に関係なく鍛えられる」と国の資料にある
✅ 体のサイズは少ない量でも動く。筋力を伸ばしたいときだけ量が要る
✅ 国の推奨は成人も高齢者も週2〜3日。長くやりすぎると逆効果の可能性もある
✅ 降圧薬を飲んでいると心拍数が強度の目安にならない。感覚で「ややきつい」を基準にする
✅ 上180・下110mmHgの日はやらない。胸痛・めまい・冷や汗などが出たら直ちに中止


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